こんにちは。東京のひとです。
今日は書評はお休みして、このあいだ見つけたWebサービス「scraiv」を紹介しようと思います。
活字コンテンツをメインにしながら、収益化のシステムなどかなり新しいと思ったので以下詳しく解説します。
「活字のYoutube」を目指すScraiv
scraivについて知っていただくには、管理人の「せせり」さんのツイートが一番わかりやすいと思います。
https://twitter.com/_sesere/status/1067646552825458688
せせりさんが書いているように、scraivはいわば「活字のYoutube」。Scraivのビジネスモデルを見てみましょう。
- ライターは文章(と画像)で様々な情報を載せて、ユーザーに見てもらう。
- ユーザーは広告が表示された後(この広告はYoutubeと同じように5秒でスキップ可能でした)に文章を閲覧する
- 一定以上のPV(ページビュー=閲覧)があった人は翌月「パートナープログラム」に参加できる
- 「パートナープログラム」に参加したライターは広告収入の一部を受け取れる
「文章」を「動画」にすればYoutubeですね。scraivはまさしく活字版のYoutubeと言えるサービスだと思います。
実際に使ってみた
実際にscraivでチャンネル「「東京の井戸」オピニオンチャンネル」を立ち上げ、学校不要論をリライトした文章を上げてみました(チャンネルの立ち上げ方など、操作方法の詳細は割愛します)。
するとこんなページが出てきます。ここは私の「チャンネル」で、チャンネルに文章を投稿していく形なのですね。Youtubeがチャンネルに動画を投稿するのを想像していただければ分かりやすいと思います。
また、こんなページもあります。これは本人にだけ見られるページで、自分が読まれた人数や読まれた累計文字数(人数×文字数)などが分かります。
左下の「パートナーポイント」がscraivから広告収入を受け取れる「パートナープログラム」に参加できるか決まるポイントです。経験値みたいなものですね。
12月はこのポイントが500ポイント貯まらないと参加できないようなので私は難しそうです。
このブログのリライトを中心に、たまにこの「「東京の井戸」オピニオンチャンネル」に投稿してみようと思います。
類似サービスとの比較
scraiv以前から、活字の投稿サービスはいくつかありました。比較してみたいと思います。
収益化の方法が違う「note」との比較
活字・画像からなる記事をあげるプラットフォームとしては、noteが真っ先に思いつきます。
noteとscraivの違いはこのような感じでしょうか。
note |
scraiv |
|
基本料金 | 無料・一部有料 | すべて無料 |
収益化 | 有料記事の手数料 | 広告 |
収益化できる人 | 全員が有料記事公開可能 | パートナープログラム参加者 |
noteでは無料記事は無料で読めますが、有料記事を買うにはお金がかかります。
有料記事の上限金額は50000円ですので、かなりしっかりした数万円の情報商材のような記事もあります。クリエイターによっては出版に相当するような収益化チャンネルになるポテンシャルを持っているサービスです。
一方で今年はじめにビットコインが暴落した時のこと。「仮想通貨の稼ぎ方」といったトピックで数万円のnoteが乱立し、買ってみたらとても数万円の価値はなかった…というような事態が何件か起こり、問題となりました。
scraivでは、noteのような有料記事・無料記事の区別がそもそもありません。
すべての記事が無料で、その代わり最初にYoutubeのような動画広告が入ります(12/6現在、5秒でスキップできました)。収益化チャンネルは必ずしも全員に開かれてはおらず、閲覧数に応じたパートナーポイント*1下限値が2000を越える必要があります。
パートナーポイントのつき方は閲覧数と完全にイコールではないようなので、2000ポイントの難易度は未知数です。
完全に小説に特化した「小説家になろう」との比較
小説の投稿サイトではもうひとつ、小説家になろうもあります。
小説家になろうは完全に小説に特化しているため、以下のようなサービスが特徴的です。
- 出版社と提携したオーディション企画
- 運営によるお題の提示
実際に小説家になろうから出版までこぎ着けた小説も結構あります。
実はscraivは、特に初期ユーザーの相当数が小説家になろうから流入していると思われます。
というのも、小説家になろうで伝統的に投稿数が多かったファンタジー世界に突然テレポートして冒険する小説(いわゆる異世界転生)などがscraivでも相当数みられるからです。
ただ、個人的にはscraivは単なる小説投稿サイトでは終わらないポテンシャルを感じています。開発者のせせりさん自身、
https://twitter.com/_sesere/status/1067647332194299904
このようにツイートしており、必ずしもジャンルが小説にとどまらないことを示唆しています。
将来的には「書評」「レシピ」「ペットとの日記」など、様々にニッチなコンテンツが出てくるかもしれませんね。
Youtubeのように普及するか?私が考えるscraivの課題
さて、scraivの新しさがなんとなくわかっていただけたところで、私が考えるscraivの課題をまとめてみます。
「文章を読む前に広告」が受け入れられるか
最大の難点はここだと思います。
いくらscraivが無料だといっても、ブログやWebサイトの大半は無料です。ブログでも広告を掲載しているところはありますが、興味のない広告だったら無視してスクロールすることができますし、全画面を覆う広告は稀です。
scraivの「5秒間広告を見ないと文章が読めない」という形式が受け入れられるかはかなり微妙だと思います。
Youtubeであればそもそもが文章よりも受動的な動画コンテンツですし、最大の競合であるテレビにはCMという慣習がありますので、あまり抵抗なく受け入れられる土壌があったと思います。一方で「広告を見てから文章を読む」もっと言えば「一定時間広告を見ないと文章が読めない」というメディアは皆無です。
ここがscraiv最大の難関なのかな、と思います。
まとめ
scraivを作った「せせり」さんはTwitterでよく見かける「質問箱」を作った人で、かなり前からTwitterで追っています。本当にすごい先見の明を持っている方だと思います。
まだ課題はあるものの、scraivがこれから伸びていくのは間違いないでしょう。
私自身もしばらく利用してみたいと思います。
以上、本好きにオススメ!小説投稿サービス「scraiv」が面白いでした。
*1:厳密には閲覧数と比例しません。scraivパートナープログラム利用規約では、「複数の要素から決定され」「具体的アルゴリズムは非公開」とされています。