こんばんは。東京のひとです。
「哲学」は慶應通信で2年目に配本される総合教育科目ですが、
テキストはかなり分厚く、難解なので受けない方も多いようです。
ただ試験はともかく、レポートは筋道を立てて展開していけばそこまで難しくはなかったので、
参考文献とともにレビューします。
認識論を圧倒的にわかりやすく解説した参考文献
さて、2019年度の哲学の課題は「認識論」と呼ばれる分野から出ていますね(著作権の関係で課題文は載せられないので、ご自身のものを参照してください)。
認識論は、私たちの「見る」「聞く」といった知覚や、
それをもとにした「感じる」「考える」といった精神活動(内観と言ったりします)など
誰にとっても身近なトピックを扱う分野ですが、
抽象的な議論が多く、理解するのは極めて難解です。
この分野を効率的に学ぶには、認識論が発展してくる歴史に沿って勉強していくのが一番の近道です。
認識論は、その歴史から入ると効率が良い
哲学というのは、ものすごく昔、場合によっては紀元前の頃から、同じような内容を議論しています。例えば
- 意識とは何なのか
- 感覚と思考はどう違うのか
- 知識とは何なのか ←今回のテーマです
と言ったような話題です。
それぞれの話題は、必ず先人の議論を深化・発展させて展開していくので、
認識論の歴史に沿って学ぶことで、自然と議論が発展してくる流れを抑えることができるのです。
今回のテーマで言えば、大昔から「知識とは正当化された真なる信念である」と言われてきたのに対して、「正当化ってどういう風に行われたんだろう」「他の知識との関連はどうなってるんだろう」という感じで発展してきたよ
認識論を歴史の流れに沿って学べる参考文献
こうした議論を、認識論が発展してきた歴史の流れに沿って教えてくれるのが『論理学をつくる』などでおなじみの戸田山和久さんによる『知識の哲学』です。
この本は3つの章からなっていますが、レポートは基本的に第1章だけで大丈夫です。
私はこの参考文献を軸にレポートを組み立て、無事に1発合格することができました。
比較系レポートの難しさ
さて、この課題のような比較を求められる課題では、ひとつ重要なことがあります。
レポートの課題が「議論展開型」「説明型」にわかれるというのは以下の記事で説明したので省略します(絶対に役立つ内容なので、まだ読んでいない方はぜひ一読してみてください)。
【慶應通信】レポートの書き方がわからないあなた!テーマ設定では語尾に注目です
「比較しなさい」というレポートは、実はこのどちらの可能性もあります。
つまり、「比較して自分なりの議論を展開しなさい(比較して論じなさい・比較して考察しなさい)」の場合もあるし、「比較して教科書の内容を説明しなさい」の場合もあるということです。
2つの立場を戦わせて議論を展開しなきゃいけないのか、ワンサイドからの説明でいいのかわからないのは困るね
そもそもこういうレポートが出されるのは、比較を求められているふたつが学問上重要な理論の対立である場合が多いです。
ですので基本的には、二つの理論に学問上どのような対立があるのか説明すれば良い、ということになります。
「哲学」レポートを歴史で学ぶのが効果的なもうひとつの理由
「比較系レポート」であることからみても、「哲学」は歴史で学ぶのが効果的です。
なぜなら今回対立している二つの理論は、歴史的にいずれもある問題へのアンチテーゼとして出てきたものなので、
その問題に対して、二つの理論がどのような解決を提示しているのか示せれば、
無事に比較できたことになるからです。
おわりに
さて、ここまで「哲学」レポートの参考文献と構成について見てきました。
「哲学」は難解で敬遠されがちですが、順を追ってレポートを構成していけば、
必ずしも合格できないわけではないと分かっていただけたかと思います。
この記事ではレポートのみ取り上げましたが、試験は持ち込み可能なので、普通の試験よりは受かりやすいかと思います。
いずれレビューさせていただきます。
他の慶應通信の科目も、受けたものからレビューしていますので、ぜひご覧ください。