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【慶應通信】レポートの書き方がわからないあなた!テーマ設定では語尾に注目です

こんにちは、東京のひとです。

慶應通信のレポート、難しいですよね。

とくに難しいのが「テーマ設定」ではないでしょうか。

今回は「テーマ設定」のコツについてお話します。

 

レポートにはふたつのタイプがある

まず前提として「何を問われているか」が分からなければなりません。

例えば以下3つのレポート課題があるとします。

  1. よいブログとは何か、論じなさい。
  2. よいブログとは何か、説明しなさい。
  3. 広告で収益を得るブログはよいブログではないという意見について、その根拠を解説しつつ、考察しなさい。

この3つの課題には、1つだけ仲間はずれがあります。

どれだかわかりますか?

順に説明していきますね。

 

「論ぜよ」と「説明せよ」の違い

さて、先ほどの3つの課題を語尾に注目すると「論じなさい」「説明しなさい」「考察しなさい」と書いてありますね。

これらの意味を整理すると以下のようになります。

  1. 論じなさい=議論を展開しなさい
  2. 説明しなさい=意味や理由などを詳しく平易に言い換えなさい
  3. 考察しなさい=あなたの考えを展開しなさい

「論じなさい」では議論の展開が求められているので、ワンサイドのみ書くことは基本的にNGです。例えば先ほどの1の課題だと、

よいブログとは完全に非営利で運営されるブログである。なぜなら営利目的のブログは記事の信頼性が低いからである。

という解答は0点です。これは感想であって議論ではありません。

もちろんあなたの考えを書くことは大切ですが、統計データや反対意見への反論などを通じて自分の考えに客観的な説得力を与えることが重要です。

ですので「論じなさい」の場合、例えばこのように議論を進めることになります。

ブログが媒体である以上、その内容が正しいことは当然に要請される。だが営利目的のブログにおいて、いたずらに購買意欲を煽るだけの虚偽のブログが散見される。内閣府の調査では、いわゆるフェイクニュースの〇〇%が広告メディアだったことがわかっている。むろん営利目的の方が企業からの協賛を得やすく、コンテンツが充実し結果として正しい情報も多く広まる、という意見もあるだろう。しかしながら…

これは統計データや反対意見への反論の例ですが、ほかにも「権威づけ」「先行研究の流れ」などを絡めてもいいですね。 「考察しなさい」も自分の考えを羅列するだけではダメですから、この仲間です。

一方で「説明しなさい」であれば、基本的にワンサイドからの記述で大丈夫です。

説明においては教科書や学術書の内容を疑う必要はありません。ですので基本は教科書の内容に肉付けして説明するだけでいいのですね。先ほどの例だとこのようになります。

社会学者〇〇はよいブログを「閲覧した読者が求めている情報を与えられる記事からなるブログ」と定義し、その条件に「非営利であること」などを挙げた。近年は統計学者△△が統計的に営利か非営利かとブログの真偽には関係がないことを突き止め、定説化している。ただし〇〇の定義はいぜん大きな影響を有している。

 

ポイント

「説明しなさい」は教科書の内容を肉付けして説明
「論じなさい」「考察しなさい」は予想される反対意見への反論で議論を展開することが必要

 

「説明型」が書きやすく「議論展開型」が書きにくい理由

さて、説明型はふつう議論展開型よりも書きやすいです。

その理由を見ていきます。

議論展開型は具体的なほど書きやすい

もう一度上の3つの例を挙げてみます。

  1. よいブログとは何か、論じなさい。
  2. よいブログとは何か、説明しなさい。
  3. 広告で収益を得るブログはよいブログではないという意見について、その根拠を解説しつつ、考察しなさい。

1も3も「議論展開型」ですが、3の方がとっかかりやすい気がしませんか?

それは当たり前で、1では「よいブログとは何か」という抽象的な問いだけなのに対し、3では「広告で収益を得る」行為の是非というより具体的な問いがなされているからです。

さらに「根拠を解説しつつ」という条件もありますよね。「解説」というのは説明と同じ意味ですので、ここは「説明型」ということになります。

つまりこの課題は、いったん広告反対派の根拠を説明した上で自分の議論を展開せよ、と言っているわけです。書きやすいですね。

 

抽象的なレポート課題は自分で問いを発展させる

実際には1.のようなレポートも数多く出題されます(例えば「法学」のレポートを見てみてください)。

こういうレポートは非常に書きにくいので、自分で3.のように目標設定してしまうことが重要です。例えば

死とは何か、論ぜよ

という課題があったとします。このままだと書きにくいですね。

死と聞いてちょっと想像を膨らませてみると、少し前に脳死についての議論があったことを思い出します。脳死を死とみなしてよいか、ずいぶん議論になりました。そこで、課題をこのように読み替えます。

精神の死を肉体の死とみなしてよいか

だいぶ方向性は見えてきましたが、まだ書きにくいですね。先ほどの3の例のように、「説明型」を一部含む形で書き換えてみます。

脳死を人の死とみなしてよいかという日本での議論について、双方の主張を説明した上で、精神の死を肉体の死とみなしてよいか考察する

これでどうでしょうか。だいぶ書きやすくなりました。

ここまで書くと、集めるべき参考文献もはっきりしますね。

ポイント
議論展開型は具体的なほど書きやすいので、書きにくい課題は具体的に膨らませる
その際、一部説明型を含む形に課題を設定すると方向性が定まりやすい

 

おわりに:説明型から攻めるのもあり

レポート課題集をパラパラみていると、総合教育科目に説明型が多く、専門科目に議論展開型が多い気がします。

議論展開型のやり方を解説しましたが、説明型の方が書きやすいのは事実なので、はじめは説明型から攻めて、徐々に議論展開型にうつるのもありですね。

それでは楽しいレポートライフを。

具体的な慶應通信の各科目のレポートについてはこちらでまとめているのでぜひ読んでみてください。

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