1年前のこの時期のことを、今もはっきりと覚えています。
2017年の11月に当時19歳だった私は大学受験をリタイアし、慶應義塾大学の通信課程に入学を決めました。
今日は当時の私と同じように慶應通信の入学を迷うあなたに向けて、入って良かったことと悪かったこと、それらを踏まえてなお私が慶應通信を勧めることを話そうと思います。
2019年10月2日更新:新しく、入学して間もない方向けの記事をアップしました。こちらもぜひご覧ください。
慶應通信に入学して1ヶ月以内に準備するべき3つのこと - 東京の井戸
私の略歴
初めまして。東京のひとと申します。
まず私について軽く話させてください。
私は現在21歳で、慶應通信の経済学部に通っています。
慶應通信は初めから志望していたわけではなく、一昨年の今頃まで存在すら知りませんでした。
私は浪人生として受験勉強をしていたのですが、様々な問題で受験勉強の継続が困難になり、やむなく慶應通信に志望を変更したというのが正直なところです。
その後今年のはじめに会社を立ち上げ、今はそこでの仕事と慶應通信の勉強というふたつを軸に生活しています。最近やっと時間的な余裕が出てきたので趣味の読書でなにか発信してみようと思い、このブログを立ち上げました。
というわけで、私と同じように通学課程に通うことが困難な同年代と、働きながら学び直しを考えている大人の方、どちらの立場にも立てるのではないかと思います。
慶應通信の3つのメリット
さて、慶應通信のメリットを3つ紹介させていただきます。
どれも通信ならではの自由さによるものです。
メリット1:学費が圧倒的に安い
「大学」というくくりで見ると、慶應通信の学費は破格の安さです。
慶應のホームページに載っているモデルケースで比較してみると、その差は一目瞭然ですね。
慶應義塾大学通信教育課程 学費より筆者作成
慶應通学 慶應通信 1年目学費 130万円 13万円 2年目以降学費 110万円 10万円*1 4年合計 460万円 61万円*2 6年合計 680万円*3 73万円*4
この安さには非常に助けられています。
周囲の同年代には奨学金を借りて通学の大学に通う人も多い中で、将来の自分へ負担を送ることなく学べるのはありがたいことです。
メリット2:時間の自由が効く
これは当たり前ですが、通信教育なので時間の自由は効きます。
夏休みや毎週夜間に通う「スクーリング」で一定の単位を取得しなければならないのと、年に4回土日の2日間をかけて開かれる試験には出なければなりません。
ですが逆にいうとそれさえ出席していれば、大部分の勉強は自分で進められることになります。
随所で働きながら通う人への配慮がみられ、個人的にはかなり満足しています。
スクーリングでどのくらい時間を作らなければならないかなど、詳しい情報はぜひ以下の記事をご覧ください。
【慶應通信】夏期・夜間・週末・Eスク…6種類のスクーリングの特徴と注意点、スケジュールまとめ
また在籍も最長12年可能ですので、働きながらゆっくり単位を取って卒業を目指すのも可能です。
12年だと1年10単位取ればいいので、決して無理ではないと思います。
1回の試験で10単位取ってしまう人もいるくらいです。
メリット3:学位や授業の質は通学課程と変わらない
通信教育は学費が安いぶん学位が通学課程と違ったり、教員の質が低いという誤解がありますが、そんなことはありません。
卒業証書では「学士(経済学部)」のように、通学課程と同じ学位が発行され、通学課程と同じ「卒業証書」が発行されます。つまり、通信課程の学位は通学課程と全く同一のものです。
「通信と通学で学位が違う」という誤解は「成績証明書」が通信課程と通学課程で違うことからきているようです。
これは「卒業証書」「成績証明書」の意味を考えてみれば実は当たり前のことで、
卒業証書は大学が「うちの大学の学位を取るのにふさわしい学びをした人だよ」と証明するものですよね。
一方で「成績証明書」は「これこれの科目の成績はこうだったよ」と証明するものです。
通信課程と通学課程では「経済学」とか「文学」のように同じ名前の科目がありますが、受けている授業は異なるわけですから、成績証明書は「通信課程で提供されている経済学の成績はAでしたよ」とか「通学課程の文学の成績はBでしたよ」というように表示しないと証明書の意味がないわけです。
受ける授業が違う以上、成績証明書の表記が違うのは当たり前のことで、「卒業証書」が同じということの方が大きな意味があると思います。
「卒業証書」が通信と通学でことなる大学がたくさんある中で、慶應通信は「通信も通学と同じレベルだよ」と言ってくれているわけですからね。
慶應通信の3つのデメリット
まずメリットを見てきました。メリットだけ見ると、「安くて時間の自由が効くのに学位や質は同じ」となりますが、もちろん通信ならではのデメリットもあります。
デメリット1:自分で勉強のペースを作らなければいけない
働きながら学ぶ一番の辛さはこれでしょう。慶應通信ではスクーリング以外に授業というペースメーカーがなく、卒業要件ではおよそ4分の3の単位をテキストの自学で取らなければならないと決められています。
すでに働いている以上、「学ぶ」という新たな習慣を自分の24時間の中に組み込むのは容易ではありません。
また、自分の状況や忙しさに合わせた「履修計画」を自分で作る計画力も求められます。
この辺については以下の記事で詳しく解説したので、是非読んでみてください。
デメリット2:ゼミなど、通信では得られない学びがある
通学と通信をくらべると、通学にあって通信にないものはやはり「人との繋がり」でしょう。大学で「人との繋がり」というと、代表的なものはサークルやゼミ、グループワークだと思いますので順に解説します。
実は慶應通信生でも通学課程のサークルに入ることは可能です(ただし、塾生規則で代表など幹部にはなれません)。私は入りたいサークルがあったのでTwitterから問い合わせて入りました。
ただ、そもそもサークルは東京在住でないと基本的に参加できず、年齢層も通学過程はほぼ全員が20歳前後なので、周囲で同じようにサークルに入っている通信生はいません。
学びという意味では、ゼミがないことは大きいと思います。ディベートやプレゼンを通じて他人から刺激を受ける学び方は、通信では困難です。
グループワークやディベートを取り入れているスクーリングもあるようですが、数は少なく、通信での学びのメインではありません。
デメリット3:卒業率が低い
卒業率については10%とか3%とかいろいろ言われていますが、体感でも低いとは思います。
その原因はいろいろあると思いますが、
- 地方に住んでいて東京に出てこられず、スクーリングに出られない
- 仕事などが忙しく、自分で勉強する時間が取れない
- そもそも在籍期間が長めなので通学と同じ理由での退学も期間に比例して多くなる
あたりだと思います。
ただし、通信の先生方は採点などをかなり公正にやられていることは間違いありません。
理解が甘かったり課題に答えていなかったりすると容赦無く不合格がつく一方で、しっかり勉強した科目は1発合格もかなりあります。
ですから結局、上にあげたようなリスクが自分にどの程度あるのかを判断していくしかありません。
結論:とりあえず入ってみませんか?
さて、メリットとデメリットを3つずつ取り上げてみました。いかがでしょうか。
1年経ってみて勉強のコツのようなものも掴めてきて、おぼろげながら卒業への道も見えつつあります。もしこの後に卒業が難しいと悟ったら辞めればいいだけですし、失うお金も多くはないと割り切っています。
このページにたどり着いたということは、きっと慶應通信をある程度現実的に考えていられることと思います。
あなたの抱えている個人的な事情が私にはわかりませんが、1年で私が慶應通信から得たことをひとつ上げるとするならば、
通信は自分で試行錯誤しながら学ぶので、学びの楽しさを知れる。
将来のことで頭がいっぱいで慶應通信を「手段」としか見ていなかった私にとって、学ぶ楽しさを知ることができたのは予想外の報酬でした。
そして、その報酬をさしひいても、慶應通信は本当にお得な環境だと思います。
あなたも一緒に慶應通信で学んでみませんか?
以上、慶應通信への出願を迷っているあなたへ、卒業は難しいけれど1年目の私が入学をお勧めする理由でした!
一言で言うと「お買い得」です。
もし何か不明なことがあれば、遠慮なくコメントで質問してくださいね。こんな記事が欲しい!というのも歓迎です。
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